中野剛志さんの「奇跡の経済教室 基礎知識編」を読んでいる。
貨幣について定義をよく知らない人が多い。イングランド銀行の季刊誌がそれについて記載していた。
「貨幣とは、負債の一形式である」
貨幣の存在理由は、それ自体が価値のある商品貨幣論ではなく、信用と負債で成り立つ信用貨幣論によって成り立つ。
前者の考えはそもそも間違い。リアルタイムなやり取りしか対応できない。
後者について例を上げると、現物のみだけでなく時期の異なる取引にも対応出来る。相手を信用し、現物の代価を使用し負債を負う。後日その約束を履行することで負債を返済する。
例えばA、B、Cの3人がいるとする。A〜Bとの取引でBはAから信用の代価として借用書(約束)を受け取るとする。B〜Cとの取引でCはBが持つ借用書との交換に応じる。すると、約束を履行するときはA→Cに行う。
もっと簡単にいうと、スナックのツケだって信用があるから対応してくれる。後日ちゃんと払います、と。
貨幣は国の信用によって成り立っているとよく聞く。そりゃそうだ。ただそれはそもそも論。
会社の雇用も似ていると気付く。働いて労働力を供与し、給料日に給料をもらう。一日毎に会社はそれを支払うという負債を負う。これの場合は信用というより契約だ。