ちょっと待って欲しい。撮影は入門機かハイアマチュア機か、RAWかJPEGか

 
 
 
 
 
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A post shared by Fugurina (@fugurina)

 新型のカメラやレンズについて調べた。メーカーのホームページや作例をググった。このレンズはこのような歪曲や収差、ボケ、写りがあるのかと比較した。それを元に量販店に行って実機を触ってみた。感触や質感、操作感などを確かめた。それらの価格が高いことに驚きつつ、いつも定位置に戻す。例えばソニーのフルサイズミラーレスは本体だけで多くが20万円オーバーだ。レンズもピンキリ。

 そしてふと思う。それらを十分活かせる場面はあるのだろうか。確かに安い入門者向けのキットレンズより高額な高性能なレンズの方が画質が良い。しかし高性能なレンズだから上手い写真が撮れるわけではない。そう考える度に我に返って物欲を抑える。現状に不満だから新型が欲しいのではなく、それを手に入れることで容易に自身のスキルがアップするのではないかと錯覚していたことに気付く。

 プロでもないのに高画素のカメラはいらない、どうせサイズを縮小してSNSにあげるのだからと思う人はいる。確かにそれはその通りだ。A3サイズやそれ以上に印刷することは、写真を業としていなければ機会はほぼない。だが唯一のメリットはトリミングに耐えるということだ。撮影する時にきちんと決めたはずなのに、編集の時にトリミングした方が良い時はよくある。

 高画素化するに従ってファイルサイズは大きくなる。それはファイル形式によっても異なる。RAWとJPEGのどちらで保存するか問題がある。RAW使いだったけどJPEGで撮るようにしましたというブログがあった。

現場完結主義という考え方 - DEJA VU ~いつか見た光景~

読むと確かにと納得することは多かった。RAWは後から補正できるから一枚一枚が雑になりがち、JPEGは後からの補正を考慮していないからリバーサルフィルムで撮影した時のような緊張感がある、と。それって撮る人の心持ち次第じゃないかと思った。

 JPEGがRAWと違ってファイルサイズが小さいのは、本来得られたデータを簡素化しているからだ。ざっくりイメージは、隣の色が隣の色と細かく見ると微妙に違うけど同じ色とします、ということ。また、カメラのプリセットを使用することは、内臓のそれで味付けしておきますね、と決めることだ。

 被写体のあるがままをあるがままの色で保存することはできない。出来ることは撮影して得られたデータをいじってそれに近付けるか、自分のイメージする仕上がりに持っていくか、カメラ内蔵のプリセットを利用するか、それらを全て利用するか。結論として、自分が満足できる仕上がりが得られるのであれば、RAWでもJPEGでも良いのではないか。これらは全て道具だ。