革新だろうが保守だろうが、大事なのは国益だ。
関税を無くして輸出産業に拍車をかけるのか、関税を高くして国内の産業を守るのか、大事なのは対話と調整だ。
それをすることでどのようなリスクがあり、どの程度経済繁栄が見込めるのか、外交や国防、食の安全や食料自給率などをどれほど守れるのか。
例えば、関税を限りなく下げて海外産の農作品をたくさん輸入できるようにすれば、当然国内の農家はダメージを受ける。それによって農作品の海外依存度が高くなる反面、日本国内で廃業する農家が増えると容易に想像できる。もし、外交やその国と貿易がうまくいかなくなり、貿易の量を減らされた時、その依存度が高ければ高いほど供給不足によるダメージは大きい。植物は機械じゃないから一度廃業したら復活するまで年月がかかる。
他にも、自国の国防費を削り、アメリカへ依存すればするほど、アメリカの顔色を伺わなくてはならない。もし、日本でアメリカ以外の他国と有事の際、アメリカが喜んで米国民を戦地へ送り出すわけがない。なぜ、他国のために自国民を犠牲にしなくてはならないのか。
世界平和!人類みな兄弟!みんなで仲良くしよう!というのはその人の妄想です。
自分がそうしたいと思っていても、相手もそう思っているとは限らない。
トランプが言う自国優先主義について考えるとごく当たり前。まず自分、余ったら他者へ。自分の子どもがお腹をすかしているのに、他人の子どもを優先するわけがない。
現実はお花畑ではない、目の前だ。
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