上司がスナックに行く気持ち

入社してずっと、会社の上司や先輩らが行きつけのスナックに行く気持ちがわからなかった。スナックのママさんや女の子はたいてい30代以上だったり、バツイチだったり。

 

私は家庭を持って初めてスナックの必要性を感じた。家庭での問題や悩み事を誰かに話したいと思った時、それを誰に聞いてもらうか?

会社の人間は今は仲間でも時と場合によっては敵となる可能性があり、それは弱みを握られるということだ。

家族に話をするといっても、弱音を吐く父親の姿を妻や子どもに見せるのは恥ずかしい。

自分の両親には心配をかけたくないから弱音なんて吐けない。

 

不満やわだかまり、悩みを吐く際、その情報を悪用もしくは利用、心配をかける度合いが少ないのはどこか。

それは冒頭に挙げたスナックだと考えた。

こちらはお客であるが、ママや女の子はただ話を聞くだけではなく、親身になってくれ、その内容によって彼女らは自らの意見も言う。また、それらの情報を外やその人の会社の人に吹聴することはしない。

 

どうして長くそのお店があるかと考えると、客は料金だけでなく個人的信用があり、心の安全地帯が欲しいのだ。

 

スナックの歩き方 (イースト新書Q)