日本人に科学が足りない

 本当に日本人には科学が足りない。それは座学で良い点数を取れという話ではなく、その知識を実生活に応用するという意味でも。

 納豆が体に良いと聞けば納豆が品切れに、朝バナナダイエットの時はバナナが、トイレットペーパーが無くなるとデマが流れれば店頭から無くなる。

 そんなデマに流される人なんていないだろうと高を括っていると、情弱vs転売屋vs先回りの争いの結果、目的の物が手に入らなくなってしまう。マスクが品薄の時は年寄りが開店前のドラックストア前に並び、開店と同時にそれを買い占めてしまう。

 情報を伝達するはずにマスコミは視聴率を稼ぐために不安をあおり、その番組の目的に沿ったコメンテーターを用意するニュースショー。新型コロナウイルスに関してもそうで、たまにまともな人が医学的にまともな話をするが、それは防疫についてであって、必ずしも経済的な話ではない。

 マスコミは文系に含まれるためか、科学が分かる番組制作者は少ないのだろう。もしくは分かっててやっているのか。テレビは真実ではない。結論ありきの台本通りだ。

 視聴者にとって大切なのはマスコミの情報ではない。それらの嘘を嘘と見抜く目を磨くこと、疑いの目を持つことだ。その一歩として情報源を複数持つこと。それは雑誌でも新聞でもよい。

 国は新型コロナウイルスの感染者数の実数についてわからないと言っている。それに対してテレビのニュースでは都道府県別にその日の感染者数が何人増えましたと報道している。「虎ノ門ニュース」で武田邦彦氏もこの報道について意味がないとおっしゃっている。感染していても発症しなければわからないから感染者数はわからない。病院にかかってそれと診断された人は感染者ではなく、患者と呼ぶべきだと。

 緊急事態宣言を解除した途端、仕事帰りの電車はすぐに混み出した。症状の出ていない感染者が街中に繰り出す頻度が増えるにつれて、感染していなかった人が感染するかもしれないと考えると、第二波、第三波が発生するかもしれないと考えるのは当たり前だ。

 なので、新型コロナウイルスに関して大事なのは感染者数ではなく、それによる重傷者数であり、医療崩壊を起こさないようにそのピークを作らないような医療体制の充実だ。

 一番大事なのは自衛。手洗いうがいで洗浄し、マスクを付けて自分のつばを飛ばさないようにし、人がよく触る所の洗浄をこまめに行う。